『出来ることをしたのです』聖書:マルコの福音書 14章 1〜10節
「この女は、自分にできることをしたのです。埋葬の用意にと、わたしのからだに、前もって油を塗ってくれたのです。
【マルコの福音書14章8節】
マリヤ, マルタ, ラザロの3人姉弟は、福音書によく出てくる人物です。彼らの両親は早くに亡くなったといわれており、彼らは3人で共に支え合いながら暮らしていました。
イエス様はこの地上の最後の1週間、エルサレムとベタニヤを何度も行き来し、ベタニヤにある彼らの家に度々泊まられました。当然ですが、泊まったということはイエス様がそこで休みたいと思ったということです。イエス様は、兄弟姉妹が1つとなっているところに留まりたいと願われるのです。ルカ 10:38には、マルタがイエス様を「喜んで」迎えたと書かれています。ヨハネ 11:3を見ると、病気になったラザロを思って、マリヤとマルタはイエス様に「ご覧ください」と迫ります。「治してください」ではなく「ご覧ください」と言いました。この言葉には、とりなしの祈りが込められています。なんと姉弟愛に溢れていることでしょうか。今回の聖書箇所でマリヤは、高価なナルド油をイエス様に注ぎかけました。このナルド油はマリヤに与えられた賜物です。マリヤは日々御言葉を聞いていた(ルカ 10:38)ので, その賜物を捧げるべきタイミングを知っていました。
マルコ 14:10には、イスカリオテのユダがマリヤとの対比で描かれています。
イスカリオテのユダは後悔して死んでいきました。
しかし マリヤは、「できることをして」喜びに溢れてその生涯を終えたのです。
澁谷久美子牧師